作品解説:一般向けコミック/単行本収録作品編


愛ど〜るパンチ(82、01)/よしかわ進

笠倉出版「ヒロインくん」収録。別册コロコロコミック7、8、9号掲載。

 時はあたかもガンプラブームのさなか。まさる少年はその弱気が災いして争奪戦に敗れてしてしまうが、代わりに店主から見たことも無い大型の箱を渡される。大量の複雑なパーツ群を組み上げてみると、それはなんと少女型のアンドロイドのキットだったのだ。
動き始めた彼女は「パンチ」と名乗り、何かと少年の世話を焼きはじめるが、やることなすことが極端で大雑把。辟易する少年だったが、故障した彼女を修理しに突然現れた老人に、彼女を造ることになるのは君だ、という謎めいた言葉を残される。
 ・「おじゃまユーレイ君」等である世代には忘れがたい作家、よしかわ進氏の短期連載作品。
 「ドラえもん」パターンの亜種なのですが、1話のラストで、いずれパンチはまさる少年の元から消え、彼は一生をかけて彼女を造り上げる(そして少年の日の自分に贈る)ことが示唆されています。
 タイムパラドクステーマを、上手くちょっと切ない設定に活かしていますが、この設定はこれっきり。後は氏お得意のちょっとHなコメディに戻ります。
組み立て、メカバレ、怪力、パネルオープン、機能停止、メンテナンス、再起動、その他(絵柄コピー、変装)

I▽鉄太郎(95〜97)/竹内桜

集英社「竹内桜短編作品集」収録。ヤングジャンプ別冊ベアーズ連載。

 鉄太郎は天才女子大生・リサが造ったロボット。二人は、なんだかんだでうまくいってます。リサが新たに製作したロボット、アリサは、リサの少女時代の姿と脳情報の一部をコピーした実験機で、モデルとなったリサ本人とは正反対の、大人しく控えめな性格に調整された。だがその改変は、アリサの自我にある重大な影響を及ぼしてしまっていたのだった。
・竹内桜の初期作品にして「ぼくのマリー」の原型(直接の原型は同名の短編ですが。この作品集に収録)。
因みに短編集版とで雑誌連載版とはアリサの夜這いシーンが異なります。連載版は正面全裸でばーんってカンジだったのですが、まあ時節柄(か?)差し換えられちゃいました。
暴走

あおい(84)/山田章夫

集英社漫画文庫。週刊ヤングジャンプ連載。

新型のアンドロイド教師「あおい」の試験運用がある中学で始まり、豊かな感情と卓越した教師としての能力を備える彼女は次第に生徒達に慕われるようになる。しかし時代はまだ「心ある機械」を受け入れる成熟を持たない。やがて些細な行き違いからロボット排斥の潮流が表層化し、あおいの運命も翻弄されていくのだった。
・私事でなんですが、この文庫本を紛失してからと云うものの13年間探し続けましてん。で東京中の古本屋を猟渉した挙げ句見つけたのは近所の店だったっていう。青い鳥はあなたの近くにっていう話ですね?
 そしてほどなくして2冊めを見つけた先はやはり別の近所の古本屋(しかも定価250円で)。で、悔しいから買っちゃいました。やっぱ女ロボ教師はよし。
  「人類の後継者はロボット」みたいなテーマ的大風呂敷の広げ方とか悲劇的な幕引きとかキャラクターシフトとか絵柄とか、全体に今日的な視点で見ればややオーソドキシーで素朴ですが、それでも尚色褪せない魅力を放っているロボ娘マンガの傑作。
怪力、壊れ、メカバレ、メンテナンス、内部透視図、頑丈、耐火、機能停止、再起動、エネルギーカプセル駆動

関連リンク:緑川あおい

アミテージ・ザ・サード()/大棚ザラエ(原作)、池上竜矢(絵)

徳間書店AC全2巻。少年キャプテン連載。

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メカバレ、怪力、頑丈、内蔵兵器、壊れ、首外し

インビシブルロボ無敵号(86)/きむらひでふみ

ラポート刊。バトルマシーン(朝日ソノラマ)連載。

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メカバレ(顔面)

Inferior Doll (03)霜月かいり

全1巻、幻冬社コミックス刊。リンクスコレクション

店頭にディスプレイされていた女性型アンドロイドに一目惚れした主人公。アルバイトで稼いだ全財産を注ぎ込み、とうとう購入する所まで漕ぎ着けたものの、起動時にアクシデントが発生し、覚醒した『彼女』は『彼』になっていた…!何とか女性型に戻そうとする主人公だったが…
その他(性別切替)

エストレリータ(87)/坂口尚

双葉社アクションコミックス「紀元ギルシア」収録。

某国が開発した少女型軍事用人造人間エストレリータの1体が研究施設から脱走した。人工細胞から造られ、実際に成長する機能を持つエストレリータは、設定年齢13歳の誕生日を迎えると熱核爆弾として作動する、トロイの木馬式の潜入型破壊兵器でもあるのだ。政府のエージェントである主人公は、そのタイムリミット寸前ついに彼女を追いつめる事に成功する。しかし、逃亡生活中に人間的な心を学習したエストレリータは意外な行動に出るのだった…
高機動性、怪力、メカバレ、センサー

エリカ(98)/柴田昌弘

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・柴田昌弘CG初挑戦作(なの?この作品は当初通常の白黒作品として雑誌に掲載された後、そのように謳ったCG彩色バージョンが別雑誌に載ったという経緯があるのですが)。ロボフェチャー的には前半の彼女の方がいいんですけど〜っていう話です。
 雑誌掲載版と単行本では、オチだけが全く異なります。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、前者は単行本版の最後のオチがないため、随分ブラックな感触の幕切れになっています。

オートマチックエンジェル(98)/水城せとな

集英社マーガレットコミックス全2巻。別册マーガレット連載。

漆原博士は、理想の少女の具現化を目指してアンドロイドの「せりか」を製作する。無事起動し、試験的に学校に通い始めた彼女だったが、人間的な感情表現に関する致命的な欠陥を抱えていたのだった。
・「別マ」連載の、連作ラブコメディ。一体にロボ娘がメインキャラの少女マンガに言えそうなのは、他ジャンルに比べても「ロボットの意識の内面」を意識的にちゃんと描写しようとする作品が多い、ということでしょうか。メンタルな部分を重視するジャンル的な傾向が、「人工知能の思考」についての考察とか描写に相性が良いのは、オイシイ上に興味深いところです。
起動、怪力、無感情、内蔵兵器(ロケットパンチ)、機能停止、メンテナンス、メカバレ、首外し

A.T.Lady!(オートマティックテックレディ!)(90)/のむら剛

集英社ジャンプコミックス全2巻。赤塚賞受賞作品。週刊少年ジャンプ連載。

年を追うごとにハイテク化・激化していく都市犯罪に対抗するべく警視庁はロボット婦警によって構成される部署を新設した。A.T.レディ(Automatic Tec Lady)と呼ばれる彼女達の活躍を描くギャグ巨編。
・全2巻に渡って、名前のある女性キャラ全員がアンドロイドというナニかに忠実なマンガ。大量の書き直し+書き足し+並べ替えで、読み切り→連載時の原型は跡形も無いが、追加すればするほど描写がえっちになっていくのは、さりげないが本当だが内緒だ。あと、古書率が妙に低い気がします…
パネルオープン(お腹)、頑丈、怪力、高速、首外し、内蔵兵器(ロケットパンチ)、防弾、耐火、電池駆動(7号)、飛行(3号)

ガルフォース2(89)/小野 敏洋

ラポート刊。描き下し。

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・ソルダノイドとエルダノイドの悠久に亘る闘いに端を発する物語を描くオリジナルアニメシリーズの2作目を大胆に脚色、オリジナリティー溢れる傑作コミカライズ。
 数多ある(笑)全メディア全シリーズの中でも「キャティ」が最大最高の活躍を見せてくれるのはマンガ版の「2」と云っていいでしょう。色々とそれはもう大活躍さ。さらに作画が小野敏洋ってことはこのキャティにはやっぱり◯◯◯が◯◯◯いて◯◯◯◯と◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯が◯◯してるわけでお得感増大です。←何を言っているんでしょうか…
怪力、頑丈、核融合炉駆動

キャラバン・キッド(87)/真鍋 譲治

小学館サンデーコミック全4巻。別冊少年サンデー連載。

雑多な種類の異星人達が共存する惑星。少年ワタルと商人バホのコンビは行商の途中、旅の少女ミアンと行動を共にすることとなる。だが彼女は惑星の支配者たる帝国の賞金首であり、彼等も剣呑な騒動に巻き込まれて行ってしまう。だがミアンの旅の真の目的は惑星規模に剣呑なものだった。
・英訳されてまして、彼の地でその筋者に大人気、だとか。物語が2巻中盤に進まないとロボ娘モノだと判らない、「実は私、アンドロイドなの〜」モノ(「管理人108のツボ」の1つ)の中でも引っぱり過ぎな1作。
メカバレ、頑丈、怪力

グリングラス(86)/石森章太郎

小学館サンデーコミック全4巻。週刊少年サンデー連載。

自主製作ヒーロー「グリングラス」を撮影している映画同好会のメンバー達はその「彼」が現実世界に現れ超人的な活躍をしている事を知り、謎を追い始める。だが同時にその謎の核心を狙いある大手電気メーカーも陰謀の魔の手を「彼」と同好会のメンバーに伸ばす。その先兵として学校に転校して来たイヴの正体とは?「グリングラス」のマスクの下の素顔は?その目的は?物語は驚愕(意味は言えねぇ)のラストに向かう。
 ・最近までサンデー系石森章太郎作品ではライダーBLACKと並んで入手困難タイトルでした。ライダーは別版が出てからちらほら古本でも見かけるようになったんですがこちらは未だに入手困難。
内蔵武器(催眠ガス、胸部ビーム)、機能停止、メカバレ

現国教師RC-01(95)/冬目 景

スコラ社刊「ぼくらの変拍子」収録。コミックバーガー掲載。読み切り。

ロボット教師採用のためのトライアルがある高校で行われることとなり、現国教師用の鈴木RC-01と、ライバルメーカーの数学教師ロボットがテスト配備される。人間ぽいRC-01と冷徹な数学教師、だが生徒の一人、原田は何れにせよロボットの教師には批判的だった。そして正式採用を目論むライバルメーカーは、RC-01を直接のターゲットとして実力行使に出ようとしていた…。
・実は御当地マンガなんですよ。でも第2図書館てゆーのは存在しませんなぁ〜。
充電、電気駆動

The Articial Angel(95)

集英社ジャンプコミックス「樹崎聖短編集2」収録。週刊少年ジャンプ増刊1995サマースペシャル掲載。

ある老刑事の命を救い幻のように立ち去った少女、笑(えみ)。だが彼がようやく探し当てた彼女は、普通の人間ではなかった。やがて彼女の出生の秘密と、その秘められた力をめぐり陰謀が蠢き始める…。
・イノセントなホームレス美少女アンドロイド+自衛の為のもう一つのより攻撃的な人格、というと「バーチャルガール」を彷佛させなくもありません(プロットは「未来世界」も入ってるかも)。
飛行、怪力、内蔵武器(低周波超振動)、その他(戦闘用A.I.)

ジャンキィジャンクション(93)/とりうみ詳子

竹書房バンブーコミックス全1巻。シンバッド、ヤングクラブ、コミックガンマ連載。

時は近未来。20世紀からの冷凍睡眠から目覚めた男、剣菱はその経歴を活かし、旧世紀の物品を扱うジャンクハンターとして活躍していた。そんな彼の元に、人型A.I.「キティ」がやってくる。彼の子孫がサポートの為に貸与したのだ。
高性能な癖にどこか抜けた所のある彼女と剣菱のコンビが、舞い込んでくる様々な依頼に挑む。
・クーパーの「アンドロイド」がハッピーエンドを迎える様な話、というのは端折り過ぎですが可愛いけどどこか朴念仁なところのあるキティと、彼女をまぁ意識しないでもないのだが、といった態の剣菱の関係が楽しい作品。
怪力、メカバレ、変型(猫形態、指→データプラグ)、無呼吸、バラバラ、メンテナンス、再起動

集積回路のヒマワリ(97)/三原ミツカズ

祥伝社FCゴールド全1巻。フィールヤング掲載。

 若い後添えを得た富豪の老人。だが奔放な若妻は公然と男遊びをくり返す。そんな老人の身の回りの世話を焼いているメイドアンドロイドのバニラは、いつしか彼の心の支えになっていた。前向きで、正直で、
生きる方向に迷いのない彼女を、老人はヒマワリの花のようだ、と愛でる。既に夫婦仲の亀裂は覆いがたいものであったが、財産を狙う妻は離婚を拒絶し、そして事件は起きてしまう。
 ・全てSF作品で構成された単行本に収録されている、表題作。この作品は、人間に絶対服従する事、それを当然の事として造られたアンドロイドの、「悲しみを知らないこと」の「悲しみ」を見事に描いて見せて
くれます。レディコミというとジャンルファンからは縁遠いと思われがちですがいや全く油断はなりませんねえ。

神秘の世界エルハザード(96)/つぶらひでとも

徳間書店AC全3巻。月刊少年キャプテン連載。

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・様々なバージョンがあり、魔人も色々いるわけですが白眉はつぶらひでとも氏のマンガ版「イフリータ」なワケです管理人的には。凛々しさと可愛らしさのバランスが絶妙で、なによりイフリータがヒロインでハッピーエンドを迎えるのは(ゲーム版を除く映像媒体では)これだけだし…確か。ちゃんとした単行本がでてヨカッタヨカッタ。
起動、飛行、長寿命

セクサドール(72、83)/石森章太郎

秋田書店秋田漫画文庫全3巻。双葉書店双葉文庫全2巻。プレイコミック連載(72〜73)。

売れないマンガ家・三枚目玉三郎の許に送り届けられた巨大な小包の中から現れたのは女性型セックス用アンドロイド、ドールだった。誰が何のために彼女を造り、寄越したのか。ドールの記憶の混乱が謎を深める一方、彼等の周辺、そして社会全体にも不穏な影が忍び寄って来つつあった。
・アンドロイドの女の子が小包で送りつけられてくる、といういまも飽きずに繰り返されている黄金パターンの祖、として記録されるべきでしょう。もっともそれ以前に元ネタがあるかも知れませんが。
起動、メカバレ、壊れ、パネルオープン、内蔵武装(胸部ビーム、他)、その他(催淫ガス、回春材など)、組み立て、内部透視図

戦うメイドさん!(98)/西野つぐみ

ぶんか社全7巻。コミックまぁるまん連載。

駆け出しライター、田辺晴親(ハルチカ)は、宴席の酔った勢いで新型メイドロボのモニターを受ける契約をしてしまう。果たしてやって来た2体のロボット、「如月」と「葉月」だったが、案の定というかやはり巻き起こる騒動の数々。だがしかし、そんな3人(?)の関係にも仄かな、だが確かな変化が現れ始める…
・原型となる作品が柴田昌弘氏の同人誌に載ってましたね。さりげなくちゃんとメイドロボに対する考察が一再ならず成されているのはかなり好印象。ロボ系描写がしっかりしてるのも掲載誌が掲載誌なのにも関わらず安易にH系に流れないのも良い感じ。後半の展開では如月の恋心が物語の通底和音のように描写されてきていてラストを盛り上げています。
怪力、首外し、内蔵兵器(アイレーザー、腕部マシンガン、腕部ブレード、胸部ミサイル、その他多数)、飛行、暴走、起動、機能停止、変型、壊れ、自爆、メカバレ、内部透視図、ハッチオープン、メンテナンス、ロボ主観

Chu▽してBOMB!(94)/くりた陸

講談社KCフレンド、全2巻。月刊少女フレンド連載。

両親の海外転勤に伴い、近所でも評判の「幽霊屋敷」に一人で転居する事になった学生、大宇宙(おおぞら)春彦は、地下室でカプセルに冷凍保存されている幼女を発見する。デイジーと名乗るその少女は、熱いものを口にすると15〜6歳の少女に、冷たいもので幼女に、キスした相手の姿に、それぞれ変身できる不思議な能力を持っていた。
「だーりん」と慕い離れようとしない彼女を、やむを得ず保護した春彦。だが彼女の秘密を狙う勢力によってその平和な生活は破られる。デイジーは、第二次世界大戦下のドイツで開発された試作分子型ロボット、P-8号だったのだ。
・ベテラン作家が、それはもうベタな少女マンガスタイルで描く、でもなんかスパルタンな設定の作品。それにしてもシュトロハイムとかHEMといったサイボーグ技術だけでなくこんな素場ら‥凄いテクノロジーがありながら何故負けたんだろう>ドイツ。超人機や鉄人や強化外骨格with零式防衛術やミカドロイド(笑)があっても負けたどっかの国のようです。
変型、無呼吸、機能停止、怪力、自爆、メンテナンス

超少女UFO(84)/永井豪

朝日ソノラマ サンコミック 、全1巻。中一時代連載。

平凡な学生、新平の通う学校にある日、美しい転校生、友訪マリアがやってくる。だがその正体は、地球にやって来ている凶悪な犯罪宇宙人を追って来た、宇宙パトロール隊のアンドロイドだったのだ。新平を気に行ったマリアは周囲の人間の記憶を操作し、下宿生として彼の家に滞在することにする。新平はマリアとエイリアンの戦いに幾度も巻き込まれる羽目になるが、毎回その記憶を消されてしまうのだった
変型、壊れ

TOOLS(83)/西岸良平

双葉社アクションコミックス「魔術師」収録。週刊漫画アクション掲載。

旧人類がほぼ絶滅して300年。少数が生き残った、より強靭な「新人類」同士の戦いはまだ続いていた。旧人類絶滅の謎を探ろうとする新人類の男女2人は、その原因が「ツールス」と呼ばれる謎の兵器による物である事を突き止めるが…
メカバレ

電人ファウスト(?)/上山徹郎

掲載誌不明。

謎のロボット(?サイボーグの可能性大。伏線は伏せられたまま…)「ファウスト」が、「エンジェル」と名乗る謎の美少女アンドロイドにその肉体を狙われる(語弊あり)少女「留詩葉」を護るため戦う…
という一般に知られる作品の他に、詳細不明ながら同タイトル同一作者の「人間になりたいと密かに思っている美少女型アンドロイド、ファウストちゃんのちょっぴりHなSFアクション」マンガが存在する、らしい。
 ・って作者御本人がTechサターン通信(ってまた濃い雑誌ですが)のイラストコラムに書いていたんですが(本当)…非常に残念な事にそれ以上の情報がありませんどなたか御教授を(笑)。読みてぇ〜!
  滅茶苦茶読みてぇ〜!!

Doll's Don't Cry(03)/大橋薫

大都社アンジェリーナシリーズ。恋愛天使アンジェリーナ連載。

遺伝的に殆ど女性が産まれず、見つかれば即、珍獣扱いされている、男性ばかりの異世界へ突然紛れ込んでしまった女子高生、セナ。その世界では人間はクローンで生殖し、女性の代用品としてアンドロイドが大量生産されていた…

NaNa!()

ピュグマリオンの夢(98)/島津和樹

冬水社いち好きコミック全3巻。月刊いちばん好き掲載。

厭世的でニヒルな超高校生級天才科学者、法月靱海(ゆきみ。ユキ)は、幼馴染みの同級生、雨倉夏央(なつお、ナツ)が幼くして亡くした母の若かりし頃の姿に似せたアンドロイドを造り上げ、彼等の同級生「雨倉春緒(ハル)」として転入させる。動揺を隠せないナツだが、程なく彼はハルと打ち解けていく。だが、ユキにとってハルを造り上げたその真の理由は、ナツにも明かせない重大な秘密としてその胸裏に隠さなければいけないものだった。
しかし普通の女子高生として生活していく内にハルには独自の人格が明確に形成されていき、ユキの思惑を越えた存在になっていく。
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メカバレ

ファミリー (93)/松本洋子

講談社なかよしKC 「魔物語」収録

主人公の少女、由佳は、過去の恐ろしい事故の記憶に悩まされていた。しかし、母や妹、父も口を揃えってそんな事故は無かった、と一笑に付すのみで取り合わない。だがある日、実際に妹が大事故に遭うのを目の当たりにしてしまった由佳は、ある恐ろしい事実に気付いてしまう…
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メカバレ、手首外し


砲神エグザクソン(98)/園田健一

講談社刊アフタヌーンKC1〜7巻(続刊中)。月刊アフタヌーン連載。

加濃砲一はちょっと乱暴モノだけど、女性に優しく正義感の強い好漢高校生。幼馴染みの茜には心配を掛けてしまうばかりで、友だちのラインからなかなか一歩を踏み出せない硬派気取りももどかしい年頃だ。
だがある日、同じクラスに途方もない巨乳美少女「水方勇華」が転校して来る。男子一同浮き足立っている所に止めを刺すように砲一を名指しで爆弾交際宣言?!。実は彼のおじいさんのつくったアンドロイドである事がわかってホッと一安心の茜だったが、それでも内心穏やかであろうはずもない。さて、この恋の鞘当ての行く末は?!
変型(液体金属)、その他(各種ナノマシン機能)

ぼくのマリー(94)/竹内桜

集英社YJCスペシャル全10巻。週刊ヤングジャンプ連載。

雁狩ひろしは天才科学者兼、冴えない大学生。同好会の真理さんが気になるがアプローチもできないボンクラ君だ。思い余った彼は、彼女をモデルにしたアンドロイド「マリ」を作り上げてしまう。だが、
その製作意図とは何ら関係なく、「憧れの女性の代用品」などではない存在へとマリは成長していくのだった。その帰結として程なくマリは自分の感情と存在意義との乖離を悩み始めるのだが…
・絵的、物語的なクオリティーの高さを維持しつつも、ロボット少女ものとしての委細を漏らさない展開は他の追随を許さない、と思う。
 切ない人工知能の恋愛感情とヒフ外装フルオープンでメカ剥き出し、を同じ文脈上で描写して行くんだから凄いと云うかなんと云うか。それ故(悩んだ末とは思うが)人間になりましたオチはどーにも許容できないのだがダメ人間としては。でもユリちゃんがいるからいいか。←まあこのへんがダメのダメたる由縁。
組み立て、手首外し、首外し、パネルオープン(首、お腹、他)、怪力、高速、変型(ユリ)、ロボ主観、壊れ

ラプンツェル(92)/遠野一生

偕成社。コミック・モエ連載。

機械いじり好きな大学生、カイはある日キャンパスで美しい女性、沢辺鹿乃子(さわべ・かのこ)に出会う。沢辺教授の娘であり深窓のお姫様になぞらえる「ラプンツェル」の渾名を持つ彼女に、子供時代に出会った
運命の女性の姿形を見い出したカイは、次第に彼女に惹かれて行き、やがて相思相愛に落ちる。だが彼女は教授が亡き恋人に似せて造ったロボットだった。秘密は明かされ、悲劇が始まる。
・レディスコミック系にも時折アンドロイドテーマが散見できますが、あくまでも女性の視点から描かれるこれらの作品には新鮮で興味深いものが多い気がします。加えてこの作品については、作者本人があとがき
 で吐露しているように人型メカに対する偏愛がちゃんと介在しており、より一層(メカフェチ的にも/笑) 魅力的になっているのでしょう。
メカバレ、壊れ