(承前) ようやく悲しみから立ち直ったフン少年の元に急報が入ります。街が何者かに襲われ、国防軍でも歯が立たないと言うのです。テコンVで初出撃したフンは、街で暴れている巨大ロボットを一目見て、それを操っているのがメリだと看破します(*3)。愛憎渦巻き、サービスカット(*4)も交えた巨大ロボット同士の激しい戦闘は、テコンVの勝利に終わります。
だが勝利の余韻に浸る間も無く、今までの怪事件の黒幕、「赤い帝国(そういう名前らしいです。あくまでも名前)」の首領マルコムが姿を現わします。砂漠のまん中にそそり立つピラミッド型要塞には先だって誘拐した重要人物達を人質として収監し、大量のロボット兵が周りを固めています。金博士の研究所から奪った設計図で組み立てられた巨大ロボット達には、これまた拉致した各格闘家の動きがプログラムされ、正に磐石の構え。テコンVの戦いに敗れたメリも回収、修理され復活しています。科学者でもあるヒロインの父までが誘拐されてしまい、テコンVと国防軍は大ピンチです。
大ピンチの筈だったのですが、国防軍は何も考えずに総攻撃を始めました。そして面白いようにあっという間に総崩れになる「赤い帝国」。人質戦略がまさか端っから無視されるとは思っていなかったでしょうからその点同情は禁じ得ませんが、それにしてもちょっと攻撃を受けただけで即座に我先に逃げ出すロボット兵なぞ造っていたら勝てるものも勝てません。
テコンVの方は流石にヒロインの父が人質に取られていて身動きがとれません。正義の心に目覚めたメリは彼を牢から逃がしますが、逃がし方が半端だったため再びあっさり父は敵幹部の手に落ちてしまいます。絶体絶命の父。だがそこにメリが颯爽とあらわれ、えらそうな口上を幹部に言い放ちます。しかし次のカットでは彼女は幹部の攻撃をうけ昏倒してます。徹頭徹尾、完っ璧に何の役にも立ちませんでした。ともあれなんとか父は脱出に成功、テコンVも敵の格闘技ロボを割とあっさり全部倒してしまいます。テコンドー最強!テコンドーマンセー!思想が貫かれ、いっそ清々しいです。
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