りぼんOriginal(集英社) 1983年初夏号掲載。読みきり31P。
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近未来。学生にしてロボット工学の天才、だが奥手の主人公「関口」は、紆余曲折を経て何故か女の子型アンドロイド「イブ」を作る事になる。成りゆきとはいえ、製作しているうちイブに愛着が湧いて来た関口は、親心から過剰とも言える自己防衛機能を搭載してしまう。
そして関口は最終テストとして、完成したイブをその正体を隠したまま自分の通う学校に転入させる。人目を引く美貌と性格で一躍人気者になるイブ。ちょっかいを出して来た友人の一人も防衛機能で眠らせ、テストは成功したかに思われた。だが、いつの間にか関口に淡い好意を抱いていたイブの気持ちにほだされ、思わず抱き締めようとした関口も、自動で作動する防衛機能の前に昏倒してしまう。
「私、好きな人にも抱き締めてもらえない体なの?」と悩むイブ。セキュリティが強固で、造った本人もおいそれと解除できない機能なのだ。そして… |
・元祖「ハンドメイド」ロボ娘です。別に手のひらサイズじゃないですが。
「みんなあげちゃう」と平行して少女マンガ執筆、というのも何か凄いモノがあるのですが、「みんな〜」キャラの顔出しがあったり、逆に少し後「みんな〜」の方に「イブ」というアンドロイドが出て来たり、因縁浅からぬ両作品のようです。
それにしても頻繁にイブは裸で出てくるし、話はそのまんま「SFおしかけ女房」モノだしで、本来の読者層である女子児童にはどう受け取られたものだか、今さら何ですが心配になって来ます。
イブに内蔵されている防衛機能は「口から非殺傷系ガス噴出」「乳頭から睡眠薬注射針射出」という、これまた剣呑な代物で、前者の正体は「弱効性LSD」だそうです。…麻薬かよ!セックス&ドラッグが裏テーマですか。
ま、ともあれ少女マンガと思わなければ普通に楽しめる一作です。 |
組み立て、内蔵武器(LSDガス噴出、胸部ニードルガン) |