作品解説:一般向けコミック/単行本非収録作品編

アイ・ウォ・ナ・エッガー(88)/内山亜紀

少年キング1983年 vol.7〜vol.15 掲載。

徳川正宗は、代々続く剣道場の跡取り息子であるにも関わらず剣の腕もからっきしな駄目駄目中学生だ。が彼には隠された才能があった。天才的なロボット工学者である彼は、ついに理想の少女型アンドロイド、ニャンニャンを完成させる。しかし、何故か彼女は設計にない「卵を産む機能」を備えており、しかもその卵を食べた人間にはある凄まじい変化が…
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アンドロイドにKUMIったけ(85)/のでらゆき

ビッグコミックスピリッツ85年13号、19号、86年10号

後にヤングサンデーに連載する事になる「愛DOLL」(87年vol.13〜、単行本は辰巳書房)のプロトタイプと考えていいでしょう。ヒロインのアンドロイドが未来から来る(愛DOLL)か、企業の商品モニターとして来る(当作)か、主人公の元への押しかけ方が異なる他は、基本設定やキャラクターシフトがほぼ同一です。
怪力

いきなり三角形【トライアングル】(84)/林荘二

週刊少年チャンピオン 84/--号掲載、読み切り。

 高名な科学者、山本博士の屋敷に下宿をする事になった苦学生の少年。博士の美しい娘二人と一つ屋根の下に住まう事で彼の心は高揚していた。だが妹の美紗子にはどこか奇妙なところがあった。怪力を発揮し、羞恥心がなく、年令も怪しい。実は彼女はロボットであり、彼が下宿を許されたのもより人間らしい反応を学習させるために若い男性がサンプルとして必要だったからなのだ。
 ・連載物の1回目、という感じにフォーマットが整っている作品。実際は「紅蓮ドール」を経て別の作品で連載が始まってしまうのですが…。反響によってはもしかして連載の予定があったのかも知れません。
怪力、壊れ、暴走

いじっちゃダメよ未来人(86)/宮川総一郎

SFアニメディアvol. 6、読み切り。

 お調子者だが妙に度胸の座っている高校生、エイジ。彼の通う高校にある日、新任女教師キャスリーン淋が赴任してくる。艶っぽい彼女に心を奪われるエイジ。キャスリーンの積極的過ぎる誘惑に負けコトに及ぶ寸前、同じく未来からやって来たタカコという少女に救われる。実はキャスリーンは未来の悪の組織がエイジの優秀な遺伝情報を採取する為に送り込んだアンドロイドだったのだ。だが受けたダメージが原因で暴走したキャスリーンは、手当りしだいに男を襲い始める。このままでは大変な事になる、と意を決したエイジは彼女と決着をつけるべく…
怪力、壊れ、暴走、エンドゥスケルトン

ST-300がきた日(86)/くつぎけんいち

Good-bye ジャンヌ (86)/村野守美

SFアニメディアvol. 6、読み切り。

 同一レギュレーションで製造されたロボット同士を一騎討ちさせる競技が国家間の代理戦争として行われている世界。度重なる敗北に『提督』は、勝利の為には「ほんものの騎士の誇りを持った人間」が必要と考え、少女騎士ジャンヌを代表として選出した。彼女の敵として送り込まれたのは一人の少年。だが彼は「自分もジャンヌも実はロボットで、人間であるという記憶は偽りの物」と語る。混乱するジャンヌ。戦いの果てに彼女が見付けた真実とは

黄昏の人形師 (03)/依代智行

「コミックBLADE」7月号増刊「 MASAMUNE」掲載 、読み切り。

魔法科学の発達した世界。「人形」制作者の主人公はある時、ミスから寿命の極端に短い欠陥品「アルゼータ」を作り上げてしまう。しかし主人公は彼女に奇妙な愛着覚えてしまい、どうしても廃棄する事ができず、自分で引き取るのだった…

どっきりマリン先生(82)/ふくいかんじ

別册100てんコミック、月刊100てんコミック 83/01、/02掲載。

 ツッパリ小学生、新平のクラスに新任女性教師「可愛マリン」がやってきた。明るく美人なマリンはたちまち人気者になるが、その華やいだ雰囲気が硬派を自認する新平には面白くない。だが彼が嫌がるのも介さずマリンは新平を執拗な程構い続け、結局大騒動に発展してしまう。実は、彼女は新平の祖父がその女嫌いをおもんばかってプレゼントした、恋人用アンドロイドだったのだ。
・「愛ど〜るパンチ」meets「まいっちんぐマチコ先生」というか、まあそういった作品です。
高機動、怪力、パネルオープン(腹部)、胸外し、機能停止、再起動、ガソリン駆動、その他(排油)

21世紀のイライザ(88)/三山のぼる

コミックモーニング特別編集 THE OPEN "B" 88/10/25号 掲載、読み切り。

違法レプリカント製造組織を追う特別捜査官、式守。彼が捜査中発見した廃棄レプリカント、イライザは、証拠保全のため修理、再生され捜査に協力する事になる。強化改造されたイライザがその機能を発揮するには「感情」の力が必要だったが、彼女は心を閉ざしたままだった…
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怪力、高機動

ひっこめ!全ガキ連 (74)/あべりつこ

週刊マーガレット 74/vol.46〜75/vol.1号 掲載。

元気な亜里と物静かな絵里は、仲の良い双子の小学生。ある日、理由も知らされないまま、科学者の両親に連れられ下町の貧乏長屋に引っ越す事になってしまう。育ちの良さそうな彼女達をどうにも気に入らない近所の悪ガキ連中と衝突したり、そのガキ大将格「ガーくん」との和解を通じて良い友達になったり、学校を牛耳ろうとする金持ちのドラ息子一派と対立したりの大変だけど楽しい毎日を過ごす二人だったが、ある日…
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怪力、機能停止

ハンドメイドのイブ(83)/弓月光

りぼんOriginal(集英社) 1983年初夏号掲載。読みきり31P。

近未来。学生にしてロボット工学の天才、だが奥手の主人公「関口」は、紆余曲折を経て何故か女の子型アンドロイド「イブ」を作る事になる。成りゆきとはいえ、製作しているうちイブに愛着が湧いて来た関口は、親心から過剰とも言える自己防衛機能を搭載してしまう。
そして関口は最終テストとして、完成したイブをその正体を隠したまま自分の通う学校に転入させる。人目を引く美貌と性格で一躍人気者になるイブ。ちょっかいを出して来た友人の一人も防衛機能で眠らせ、テストは成功したかに思われた。だが、いつの間にか関口に淡い好意を抱いていたイブの気持ちにほだされ、思わず抱き締めようとした関口も、自動で作動する防衛機能の前に昏倒してしまう。
「私、好きな人にも抱き締めてもらえない体なの?」と悩むイブ。セキュリティが強固で、造った本人もおいそれと解除できない機能なのだ。そして…
 ・元祖「ハンドメイド」ロボ娘です。別に手のひらサイズじゃないですが。
「みんなあげちゃう」と平行して少女マンガ執筆、というのも何か凄いモノがあるのですが、「みんな〜」キャラの顔出しがあったり、逆に少し後「みんな〜」の方に「イブ」というアンドロイドが出て来たり、因縁浅からぬ両作品のようです。
それにしても頻繁にイブは裸で出てくるし、話はそのまんま「SFおしかけ女房」モノだしで、本来の読者層である女子児童にはどう受け取られたものだか、今さら何ですが心配になって来ます。
イブに内蔵されている防衛機能は「口から非殺傷系ガス噴出」「乳頭から睡眠薬注射針射出」という、これまた剣呑な代物で、前者の正体は「弱効性LSD」だそうです。…麻薬かよ!セックス&ドラッグが裏テーマですか。
ま、ともあれ少女マンガと思わなければ普通に楽しめる一作です。
組み立て、内蔵武器(LSDガス噴出、胸部ニードルガン)

メモリーチェイサーハルカ()/西川伸司

RENTED HOUSE(82)/のでらゆき

週刊少年サンデー82年26号(6/16)掲載、読み切り。第10回新人コミック大賞入選作

一人暮らしを始めようと、不動産屋を訪れる主人公、広明。彼が借りた訳あり格安物件の一軒家には、最新鋭のホームキーパーロボットまでが付いていたのだった。美由と名乗るその美少女ロボットに満更でもない広明だったが、ある日恐ろしい「訳あり」を思い知る事になる…
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怪力

Lolita In WonderLand(99)/桃川春日子(はるひこ)

サウス 99/02掲載、読み切り。

 教育番組のレポーターとして作られた「つぐみ」は自分を製作した博士に淡い恋心を抱いていた。しかし新型のアンドロイド(後の「すずめ」)の完成が近付くと、不安でいたたまれなくなり、内蔵されている航時機能で 近代イギリスへと家出(?)してしまう。だが彼女はそこで出会った大学教授(実は後のルイス・キャロル)との心のふれあいの中で自分の本当の気持ちに気付くのだった。
 ・単行本化されている「エレクトリック・マーメイド」の直接の前編にあたる作品なのですが、なぜか同時収録にならず現在も宙に浮いた形になっています。「エレクトリック〜」では堂々とした風格すら漂わせている「つぐみ」の、かなり可愛らしい側面が描かれているだけにこれは残念ですね。
その他(カメラアイ、通信機能、時間跳躍機能)